自分で散骨する方法

散骨

散骨とは、海や山へ遺骨を撒いて故人をご供養する葬送の一つです。

みなさん、散骨もお葬式と同じように「業者へ頼むもの」と思っている人も多いでしょう。でも散骨は個人、ご自分でもおこなえます。

そして「故人も喜んでくれて、費用も安く済む」といったメリットがセルフ散骨にはあります。

「準備」は大変ですが、自分で散骨すること自体は難しくはありません。

では、その方法を見ていきましょう!

自分で散骨、本当にできますか?

はい、本当に自分で散骨することはできます

個人での散骨は違法ではなく、法律やルールをしっかり守れば、まったく問題はありません。届出など行政への手続きも不要です。

まずは、遺骨に権限をもつ『祭祀継承者』が貴方であればOK、問題ありません。ほかの方なら散骨の承諾を得ることから始まります。

そのあとは

  1. 遺骨を細かして粉骨にする
  2. 散骨ができる場所で粉骨を撒く

見る限りシンプルですね。では、その手順を見ていきましょう。

自分で散骨する方法

自分で遺骨を粉骨にした結果

遺骨をそのまま散骨すると、死体遺棄の容疑で処罰される可能性があるので、遺骨のパウダー化(粉骨)は必須です。

上の写真のように、遺骨を細かく粉骨にします。

粉骨にする

自宅にある「すり鉢、スリコギ棒など」をつかって遺骨を2㎜以下の粉にしていきます。男性なら2~3時間で終わるでしょう。水溶性紙袋

粉骨にした後は、重たい骨壺よりこの「水に溶ける紙袋」のような紙袋にいれるのがオススメです。袋のまま海へ散骨ができて便利、Amazonなら2,000円程で購入できます。

私の経験から…
2018年、家族の散骨のために実際に粉骨にしたことがあります。
その時の感想は、

  • 2時間の手作業はつらかった
  • 遺灰が舞って部屋がザラザラ…

やっぱり大変でしたね。

汚れることなく粉骨にする機械もありますが、3~20万円と高額。

なので粉骨は、専門業者に依頼するほうが良いかもしれませんね。粉骨にする費用相場は2万円前後です。

海へ散骨

粉骨にしたあとは、海へ出るためのボートをチャーターします。

散骨にはルールがあるので、ボート会社に以下の2点を伝えてくださいね。

  • 散骨をすることが目的であること
  • 場所は陸から見えない沖合

準備するものは、献花、献水を前日までに用意。環境配慮のため献酒はコップ1杯ほど。散骨日当日は礼服は目立つので、カジュアルな平服で構いません。


以上、ここまで読んで「自分では大変かな‥」と思った人は、遺骨を預けるだけで散骨してくれる代行サービスをオススメします。

1.5万円で頼める!⇒散骨代行サービス

山林で散骨

山林の所有者から許可があれば散骨はできます。ただし国有地や自治体が所有している山林の散骨は、ほぼ不可能と思ってください。「散骨していいよ」と言ってくれる所有者がいればラッキーです。

私有地で散骨

自分が所有する土地であれば山や庭でも散骨は可能です。

しかし、あくまでも散骨なので土をかぶせたり、穴を掘って埋めることは埋葬法で違法となるので粉骨は撒くだけにしてください。

もう1つ重要なことは、その土地は、売らない、持ち続けるという前提になります。
今後、家を売る予定の人は、散骨が不動産価値を下げて売却に不利になることだけは覚えておいてください。

旅先で散骨

国内で散骨する人は、電車でも遺骨を持ち運びできます。また、飛行機でも手荷物として持込み可能ですが、念のため航空会社のサービスセンターで確認してください。

空港のチェックインでは埋葬、火葬の証明書、粉骨証明書のどれか持参すれば、手続きもスムーズでしょう。

海外の場合、税関で「麻薬」と間違われないように、英語で散骨「scatter ashes」、粉骨「ashes powder」と説明するか、英文の証明書を発行してもらえる粉骨業者に頼むと良いです。

骨壺、遺品はどうする?

骨壺や骨箱を処分する
手元に残った骨つぼ、骨箱は、「家庭ごみ」として処分できます。

・骨つぼ
ハンマーで細かく割って新聞で包み「割れ物・燃えないゴミ」へ。

・骨箱
「可燃ごみ」として出せます。分解するか、そのままゴミ袋に入れてもOKです。

・白い風呂敷・骨箱カバー
どちらも「可燃ゴミ」として出せます。

・位牌・遺影
位牌なら可燃ゴミへ、遺影は写真と額を分別してください。お寺・神社でお焚き上げを利用するのもよいでしょう。

遺骨を乾燥する場合

お墓に埋葬されていた遺骨は、90%の確率で雨水や結露で湿気帯びているので乾燥させる必要があります。

湿った遺骨は上手に粉砕できません。

ご近所に配慮しながら、自分の庭や駐車場にブルーシートの上で遺骨を並べます。天気の良い日に2~3日ほど天日干しの後、完全に乾燥したら粉骨作業が開始できます。粉骨業者なら専用機で乾かしてくれます。


以上、自分で散骨をする方法を紹介しました。手間はかかりますがセルフ散骨ならば思い出に残る散骨供養が実現できますし、故人のためにチャレンジしてみるのも良いかもしれません。